セックスレスからの出口は?
男は火、女は水
中国の性養生では、男は火の性(しょう)、女は水の性という。男性は刺激があるとすぐに興奮して火のように燃え上がる一方、女性は水が温まるようにゆっくり興奮が高まり、男性は射精すると火が消えたように冷めるが、女性はお湯がなかなかさめないように興奮が続く。こういう異なる性的特性をもった男女がコミュニケーションするところに、セックスの難しさも妙味もあると思う。男女が研究すべき点もここに多くあるだろう。
初め冷たい女性の身体を温めるのは、男性の愛撫(あいぶ)や言葉などのはたらきかけだろう。女性の反応を十分見ながら男性は、女性の感性に添うようにそれをすべきだろうが、この大事なことを男性たちはどのくらいできているだろうか?
日本人の大人のコミュニケーションは一般に、身体接触が少なく、特に男性ではきわめて少ない。日本では子供同士や、大人と赤ん坊、子供で身体接触は多く、撫(な)でたりあやしたり遊んだり、親愛のコミュニケーションをふんだんにするが、現代は少子化でその場面も減っている。日常ほとんどできない身体接触をセックスでだけ突然おこなって、相手を心地よくできるのだろうか?
欧州では食事も前戯に
ヨーロッパでは街なかでカップルが身体を寄せ合ったりし、四六時中、身体接触をしている国が多いのはご存じの通りだ。フランスで中年カップルが並んで食事をするのを見たのだが、男性が女性の身体のいたるところを巧みに撫でたりくすぐったり、何回もキスしたりしているので、ここでは食事も前戯になると知らされた。男性たちはこういう社会では愛撫に熟達できる。
身体接触のコミュニケーションが日常生活に少ない日本では、愛撫で現実に女性の身体を温めるのはなかなか難しいのではないか。男性の愛撫が不快だったり、不十分で温まっていないのに挿入を求められて苦痛なため、セックスを拒む女性たちが現れるのではないだろうか。男性がアダルトビデオやグラビアで容易に、愛撫の労をせずに温まった状態の女性の姿態を見られることも、コミュニケーションの感覚を狂わせると思う。
電車内でのイチャつき、大歓迎
さらに近年では、子供たちもじゃれあって遊ぶことが少なくなり、身体接触の体験はますます減った。すると大人になっても、身体接触自体に抵抗を感じてしまい、セックスそのものに背を向けることになりがちだと思う。
電車の中で高校生のカップルがいちゃついているのを見たりすると、私はほっとする。子供たちも、もっとくちゃくちゃになって身体遊びをするのがいいだろう。大人も許される関係ならできるだけ身体接触や愛撫をしていくとよいと思う。男性たちが愛撫で女性を温めることに熱心になれば、日本のセックスレスの一部は確実になくなると思う。


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